青戸の家
所在地:東京都葛飾区
用途:一戸建ての住宅
家族構成:夫婦+子供2人
構造:湿式柱状改良+ベタ基礎、木造在来構法、
地上3階 敷地面積:51.57㎡
建築面積:29.20㎡
延床面積:74.55㎡(法定延床面積)
コンセプト
下町のおおらかに流れる川の隣の立地です。敷地に平行して緑化護岸、車道、植栽帯、歩道、中川と高さを変えながらストライプ状に並んでいます。
少し低くなった敷地とこれらの関係を上に伸びていく建物内部にまで敷衍し、コンパクトで縦積みされた建物において上下方向に向かいがちな意識を水平方向に引き戻すため、水平軒下空間や水平パノラマ開口を設けました。
内部は階や床面積未算入のスペースを取り込みながら厚さ60㎜の板がいろんな居場所をつくりながら、テーブルや腰掛、ステージや飾り棚、滑り台やシアター客席、勉強机や収納、ソファと様々な用途を含みながら、ほの暗い脚元の空間から遮るものが何もない明るい屋上へと途切れることなく連続しています。
水平パノラマはこれら居場所の性格に合わせて寄り添っています。
(軒下アプローチ:緑化護岸、寝室:高窓、子供リビング:植栽帯、リビング:植栽帯と空、ダイニング:中川、屋上:空と4ケ所の花火大会、スカイツリー等々)
外観を特徴付ける水平ラインをなぞりめくり上がったような庇は、サッシや壁面の防汚機能だけでなく通気口も兼ねており、各層で外気を取り込み上部で熱抜きをするベンチレーサーになっています。
上記通気層を備え、新築の住宅版エコポイント省エネ基準も満たした高性能の外郭の中を板が舞い、家族の気配をつないでいます。
これらを工務店がよく理解し、リーズナブルに仕上げていただきました。
狭小住宅としての工夫
- 1. 床下納戸と段々の居場所
容積や階未算入の床下納戸を設けることで生じた段差を活かし、様々な居場所となる床板がとぎれることなく屋上までつながった構成としました。 - 2. 周辺環境に呼応するパノラマビュー
敷地には緑化護岸、車道、植栽帯、歩道、中川が水平の帯状に近接しています。
これらがアプローチや内部からいろいろな高さで楽しめるように深い軒下や水平窓を設けました。